南寧ってナンネイ?
-東南アジアへの玄関口、人類の最も住みやすい都市-
日本経済産業連盟理事
楠元純一郎
一, 2010年秋、中国南寧の広西大学法学院・広西法学会に講演(会社法・国際ビジネス法関係)に招かれた。広西大学外国語学院では日本語教師の方(http://blogs.yahoo.co.jp/heshiyouzi2006)にも出会った。異国の地で頑張っていらっしゃるヤマトナデシコのおひとり。広西大学はとくにベトナムからの留学生が多いが日本語熱もなかなかのもの。進出日本企業にとってはバイリンガル人材の供給源ともなりうる。
二, 中国南部の広東省と雲南省との間に省クラスの広西壮族自治区があるが、南寧(Nanning)はその区政府所在地、つまり中心地に当たる。人口およそ700万人。ベトナム国境まで180㎞、首都ハノイまでも300㎞。山水で有名な桂林も広西にある。
南寧は東南アジア諸国への玄関口で、2004年以来、「中国・ASEAN博覧会」の永久開催都市となっている。南には北部湾(トンキン湾)があり、大型コンテナ船の乗り入れが可能な欽州港、防城港、北海港がある。つまり、広西壮族自治区は中国内陸部にありながら港湾にも面しているという地理的優位性がある。陸路では高速道路がベトナムにも直結しており、また、南寧呉圩(ウーシィ)国際空港もあるなど、北部湾経済特区の交通の要であることから今後、物流基地、商業貿易基地、加工製造基地、情報発信基地として大発展が期待されている。
実際、中国のGDP平均値をはるかに上回るスピードで成長しており、ここを訪れてみると未来都市のような美しさにまず目を奪われる。気候は亜熱帯に属し、「緑城」と呼ばれるように邕江(ヨンジャン)という大きな川が豊富な水をたたえ、ブーゲンビリアなどの南国の花々に彩られ、街中どこも清潔な印象を受ける。たとえば、大概のレストランは独自で食器を洗浄せず、どこかで集中管理されてラップに包まれて出てくるし、走るバイクはすべて電動。この南寧市は2007年には「人類が最も住みやすい環境」として国連ハビタット賞も受賞している。
市内は東西に民族大道(ミンツータータオ)が一文字に貫いており、これは中国最大の少数民族である壮(チワン)族のシンボル( YouTubeの「Aerial shots of Nanning city 1」で検索http://www.youtube.com/watch?v=kGD7qVMY_UE)。その中央に短冊のような南湖(ナンフー)があり、そこから東へ開発が進行中。五象広場(ウーシャン・クワンチャン)には59階建てのランドマークタワーがそびえ立つ。その東側に「中国・ASEAN博覧会」の会場となる「南寧国際会展中心」が、またその東の青秀区には領事館区が着々と整備されつつあり、ここにこのほど「中国・ASEAN国際ビジネスエリア」が誕生した。
ここはASEAN加盟10カ国に日本と韓国を加えた12カ国が独自の趣向を凝らしたオフィス、住宅、レジャー施設、商業施設などを整備し、いわば東南アジアをコンセプトとした一大テーマパークともいえ、国際色豊かな観光資源になりつつあると同時に、中国・ASEAN博覧会の常設展示場としての役割も果たす。2010年1月1日からゼロ関税の自由貿易区域となった中国・東南アジア諸国の総人口は19億人、域内総生産額は2兆ドル、貿易総量は1.2兆ドルに達する。
この一角にあるのが中国で初めての大規模日本人街といわれる「日本園」(http://www.nihonen.com/nihonen.html)。居住施設はもちろん、日本の商材・役務を販売・提供する「日本园第一名品商店街」や、広西の友好都市・熊本にちなんだ「広西・くまもとプラザ」(http://j.peopledaily.com.cn/94476/7172094.html)もあり、和風建築様式が日本的文化情緒を醸し出している。
日本園を開発した東信房地産有限公司の祝允(ジュー・イン)社長は、東京にも「日本東信物産株式会社」を立ち上げ、中国、日本、東南アジアを舞台にした貿易その他のビジネスを手掛けている。海外進出を目論む日本企業にとって、東信物産と日本園が中国全域・東南アジアビジネス展開への糸口となり、19億人市場の開拓も夢ではない。「日の丸」企業が国際的プレゼンスを示すためにも、これを機に広西南寧進出を検討されることをお奨めする(お問い合わせ先 jjbinc@live.jp(趙))。
三, 南寧進出日本企業は、王子製紙、ハリマ化成、ダイセル化学、フォスター電機、ジャパン建材、タイガー金属、富士フィルム、スミダコーポレーション、イビデンなど計20社ほど。広西では柳州の自動車関連企業の広テック、梧州のシチズン電子、荒川化学、桂林のNECなどがある。たとえば王子豊産林はユーカリの原木を販売している。土地を借りて植林、農業、酪農をすると利益の25%の法人税が無税となり、消費税のような増値税も還付され営業外収益になるとのこと。また、ハリマ化成はロジン(マツヤニ)から塗料・接着剤などを、ダイセルは酢酸セルロースなどを製造している。
