中国消費者向け 通販ビジネスの心構え
世界を牽引する中国
昨年秋のアメリカ発世界金融危機で先進国が軒並みマイナス成長を示す中、中国が独り勝ちの様相を呈している。2008 年前半まで2けた成長を保っていた中国経済は世界不況の影響で同年後半は急減速し、今年1~3月期にはGDP伸び率が6.1%まで落ち込んだものの、4%以下にとどまった先進国の追随を許さない。2009 年の成長率については世界銀行が7.5%と予測するなど、国際機関や民間調査機関の見込みは8%前後に集中している。
事実、世界一の車販売台数を誇っていたアメリカが、今年は1000万台を割ると予想されている一方、車への補助金を10 億元から50億元に増加した中国は、2009 年の自動車販売台数が1100 万台を超え、実質世界一になると予想されている。

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「中国風ローカライズ」とは
昨年、中国では「山シャンジャイ寨」という言葉が生まれた。そっくり携帯やコピー製品を「山寨機」と言い、模倣品を表す言葉だが、中国人いわく「偽物ではない!」。機能が同じで、本物より安い「山寨機」が市民権を得て、主流になることも大いにあり得る。
音楽コンテンツが99%違法に流通している中国で、米Googleが中国国内向け限定で、音楽無料ダウンロードサービスを合法的に開始したことは、目から鱗だったが中国を理解したサービスのローカライズであり、今後の中国向けサービス展開の指南役であると思う。
成功のキーワードは「中国人を理解する」
中国での買い物は「タオジャファンジャ=値引き交渉」が普通である。対面で値引き交渉し、交渉成立後、実際に持ち帰る品を、不良品でないかもう一度品定めする。製品の品質に対する不信から常習化された行動で、特に電化製品は、持ち帰る前に動作確認をするのは必須である。中国消費者向け 通販ビジネスの心構え成長を続ける中国を、1つの市場として独自で進出を検討する企業も多い。そんな中、今年は、Made In Japanブランドを前面に打ち出した中国富裕層向け通販サイトも多くオープンされている。しかし、これらMade In Japanのブランド力を過信し、日本的な「一方通行」での販売方法は、中国人消費者に受け入れられるのかは疑問である。商品を受け取る前にお金を支払う信用取引も難しい。
中国最大の通販サイト「タオバオ」はそんな中国人のニーズに応えたチャットサービスやエスクローサービスの導入により、急成長を遂げたとされている。
中国通販において成功するには、日本製だから売れるという幻想は捨て、真似されにくい競争力のある商品でターゲットを絞り、日本での認知度は関係なく中国国内での認知度を上げるプロモーションを実行し、チャット対応など、柔軟かつ迅速な対応ができるコールセンターを徹底し、信用度を高めることが必須である。
少しでも不満があると、すぐに批判対象となりネットに書き込まれることになる。外資への規制も厳しい中国へは日本で培ったノウハウをそのまま持っていくのでは受入れられない。信用できる実績のある中国内資のパートナーと手を組むのが一番確実である。

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栗原 尚子
株式会社ブリッジ 代表取締役
1970 年大阪に生まれる。大阪女子大学応用数学科卒業後、NEC通信システム(株)でISDN 交換機の開発に携わる。中国人留学生の友人と、1994 年に中国を訪れ、激変する中国に興味をもつ。NEC退社後、フリーでITコンサルタントとして活動するも、中国とかかわる仕事がしたく、2006 年上海に渡り内資企業の上海HSTに入社。2008 年帰国し日中間のI Tサービスを専門とする㈱ブリッジを子会社として設立。
株式会社ブリッジURL:http://www.bridge.vc/
上海本社URL:http://www.hstech-china.com/
