日本企業(モノづくり編)紹介
株式会社スリーディ

 


リアリティを極めたシミュレーションゴルフで ゴルフ業界に旋風を巻き起こす


 
 ゴルフバーブームに火をつけた、老舗システムメーカー

 首都圏を中心に、全国へ広がっている「ゴルフバー」。室内にいながらにしてまるで本物のゴルフ場にいるかのような臨場感を楽しめる、新しいスタイルのアミューズメントスポットだ。単なるテレビゲームと決定的に違うのは、スクリーンに映写された3Dの仮想ゴルフ場に向かい、プレイヤーが本物のゴルフクラブでボールを打つ点。センサーがその球筋、速度などを解析することにより、映像内のゴルフ場で限りなくリアルなプレイを楽しめる。設置に必要なわずか5坪のスペースさえあれば、世界中のゴルフコースを仮想体験することができるのだ。
  このシミュレーションゴルフシステムを、1980年代というコンピュータゲームの黎明期に世界に先駆けて開発したのが、株式会社スリーディである。その後も20年以上にわたって研究開発は継続し、2006年には満を持して銀座に直営ゴルフバー「ルーベンス」をオープン。その後も目黒、高輪などに直営店を展開する一方、同社のシステムを導入したフランチャイズ店舗も全国に百数十店舗まで増やしてきた。文字通り同社が、シミュレーションゴルフの生みの親にして、ゴルフバーブームの火付け役といえる。


 「世界初」にこだわり続けた、ものづくり人生

 このスリーディの創設者であり、現在も第一線で商品開発に携わっているのが代表取締役社長の新井容徳氏である。ゴルフバーの構想を生み出した新井氏が常に開発のモットーに掲げているのが、「世界初」にこだわること。現在では当たり前になったビデオゲームも、ゲームセンターなどができる以前から販売していたのだという。そのほかにも、プログラミング可能な超小型ロボット「ワクチンくん」も同社を特徴付けるオリジナル商品のひとつ。制御プログラミングを学ぶ学生や若い技術者の教材として絶大な評価を得ており、全国の主要な大学や大手メーカーで多数の導入実績を誇る。また、「鍵穴のない鍵」という発想から生まれたリモートキーなど、ユニークな発想から生まれた商品は数多い。
  シミュレーションゴルフのアイデアが生まれたきっかけは、「自分がゴルフ好きだったこと」と新井氏は言う。自分が楽しめるものしか作らないというのが、新井氏のクリエイターとしてのポリシーなのだ。また、ゲームが子供に与える影響に配慮し、大人向けのゲームを作りたいと考えたことも大きな要因のひとつ。商品の社会的意義にこだわる新井氏が、環境に優しく健康にもいいシミュレーションゴルフというアイデアにたどり着いたのは必然といえるかもしれない。


 商売人ではなく、進化し続けるクリエイターとして

 「クリエイターとして、常に新しいもの、クオリティの高い仕事に挑戦したい」と語る新井氏は、現在もシミュレーションゴルフのバージョンアップに余念がない。最新機種としてリリースされた「SVIP -WXP -S3D」は専用の3Dメガネを装着することで、あたかもコースに立っているかのような奥行きある映像を楽しむことができる。もちろん球筋を認識するセンサーの精度もさらに磨きがかけられており、そのリアルさはプロゴルファーも太鼓判を押すほど。「将来的にはこのバーチャルリアリティ技術を活かした別の全く新しいサービスにも挑戦したい」と、今後のビジョンも楽しみだ。




【企業紹介】
■社名:株式会社スリーディ
■設立:1972年
■代表:代表取締役社長(CEO)新井容徳
■住所:東京都大田区山王2-41-2
■TEL:03-3772-6109
■URL:http://www.3dweb.co.jp/
■事業内容:電子応用機器開発、メカトロニックス、製品開発製造、
        商品化、レンタル、ソフト開発(店舗内装工事一級建築士、
        電気工事、弁理士、情報技術士)
※詳しい情報は、株式会社カナリア書房の『ニッポンをリードする企業たち チャレンジングカンパニー モノづくり編』
に掲載されています。



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