日本企業(モノづくり編)紹介
株式会社荏原製作所
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産業機械の国内トップメーカー 1912年にポンプメーカーとして創業した株式会社荏原製作所(以下、荏原製作所)は、各種風水力機械や冷凍機、水処理装置、焼却炉、半導体製造装置等、さまざまな産業機械を製造する国内トップメーカーだ。風水力機械カンパニー、環境事業カンパニー、精密・電子事業カンパニーという3つの社内カンパニーをコアカンパニーとして荏原グループの各事業を統括している。特に風水力機械カンパニーは同社の基礎となったポンプ事業を含む基幹的なカンパニーとなっており、カスタムポンプ、コンプレッサー・タービン、風水力プラント、汎用ポンプ、冷熱機械などを手がけている。 その中でも、汎用ポンプ事業は国内の汎用ポンプ市場で36%という大きなシェアを持っている。主要品目の中では国内50%以上のシェアを持つものもあり、日本のインフラや企業活動、家庭などあらゆる場所で活躍する製品を生み出している。 インフラ整備が進められていた高度経済成長期には鋳物製のさまざまな種類のポンプを供給。さらに飲用水への赤水対策が注目されだしてからはステンレスプレス製ポンプの製造販売にもいち早く乗り出した。現在はさらに、インバータ制御によるポンプや給水ユニットの省電力化により、地球環境への貢献の実現を進めている。 国内トップシェアの汎用ポンプ ポンプには、家庭や店舗で使われるごく小型のものから、工場や浄水場で使われる大型のものまで幅広くある。必要となる水量、水圧等の指定を受けて受注製造されるのが一般的だった中で、標準化によって在庫を持ちお客様にいち早く製品を届けることを可能にしたのが汎用ポンプだ。 荏原製作所では1958年にS型と呼ばれる片吸込み渦巻ポンプを標準化したのを皮切りに、現在150種以上まで汎用ポンプのラインアップを拡充。全国に展開した販売店網で地域ごとの需要を読み取り、特に需要の高い製品は常時在庫を保持することで顧客への迅速な対応を可能にしている。また、販売とアフターサービスの組み合わせによるメンテナンス体制の充実にも早くから取り組んできた。 標準化することで迅速なサービス体制を確保した上で、荏原製作所ではコスト面での顧客メリットも追求している。より良いものを安く提供するために、1970年~80年代にはコストの安い海外に製造拠点を設置した。1975年にはブラジルに深井戸用水中ポンプの製造拠点を設立(海外製造拠点第一号)、さらに1988年にはイタリアにステンレスプレス製ポンプの製造拠点を設立した。そのほかにも、インドネシアや台湾、中国など10数箇所に製造・販売拠点を設置し、現在は世界の広い地域で荏原製作所の汎用ポンプが製造・販売されている。 世界のトップグループの中でさらなる飛躍を 日本だけでなく、世界にも広く汎用ポンプを提供しているトップグループの荏原製作所だが、近年は販売の伸びが低迷していた。各国に拠点を展開しながらも、あくまでも日本向け製品の製造拠点としての役割が大きかったために、販売体制が整いきっていなかったためだ。 現在同社では世界の製造・販売拠点のネットワークが整備されつつあり、世界市場での存在感を拡大している。 【企業紹介】 ■社名:株式会社荏原製作所 ■創業:1912年11月 ■代表:矢後夏之助 ■従業員数:2662名(2010年3月、荏原製作所 単体) ■本社住所:東京都大田区羽田旭町11-1 ■TEL:03-3743-6111 ■URL:http://www.ebara.co.jp/ <風水力機械カンパニー> ■事業内容:ポンプ、タービン等、風水力を媒介とする機器の製造販売 (主要品目:汎用ポンプ、大型ポンプ、高圧ポンプ、送風機、 コンプレッサー、蒸気タービン、ポンプ機場設備、 総合水運用システム、原子力関連プラント等) |
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