日本企業(モノづくり編)紹介
アンドール株式会社

 


カタログ通販、専門店向け下着をOEM生産 独自の技術力駆使し、市場を開拓


 
 ターゲットは30代以上

 アンドール株式会社(以下、アンドール)は、2000年7月に設立された下着メーカーだ。大手カタログ通販誌や専門店向けにブラジャーやショーツ、ガードルなどの商品を企画し、中国・大連の協力工場でOEM生産している。
 代表取締役社長の岸村裕子氏はIT企業を経て台湾に留学。帰国後に就職した下着メーカーで語学力を買われ、海外生産の担当を任された。その後退社して別の仕事に就いていたが、かつての仲間とともに下着メーカーを起こすことになった。当初から通販企業向けのOEMを手がけ、ヒット商品も生み出したが、2006年に通販売り上げの急激な落ち込みから経営が悪化。ターゲット層をそれまでの20代前半女性から30代に転換した。
 30代は、多くの女性が自分の体型の変化に悩み始める時期。体型を美しく見せるための機能的な下着が求められる。そこで、アンドールは30代以上に狙いを定め、機能性とデザイン性を兼ね備えた商品を世に送り出している。


 すべての人に価値を提供したい

 アンドールの社名は、数学の「集合」に由来している。AND=すべての条件を満たす、OR=どちらかの条件を満たす、AND+OR=ALLで、これをそのまま読めば「アンドール」というわけだ。社名には、地球上のすべての人に価値を提供できる企業でありたいという願いが込められている。


 ふくよかな人向けブラジャー開発で独自性を発揮

 市販されているブラジャーの多くはアンダーバストが80センチ程度まで。これに対し、現在社内で開発を進めるのが、アンダーバスト90センチ、100センチを超えるふくよかな人向けのブラジャー。この分野のニーズは確かにあるにもかかわらず、真正面から取り組むメーカーは少なかった。実際にサイズ不足から下着購入に不便を感じている消費者の声に耳を傾け、プロジェクトを進めてきた結果、機能、デザイン、価格ともに満足度の高い商品に仕上げ完成。まさに「すべての人への価値の提供」だ。


 デザインから製造まで一気通貫システムを導入

 かつて売り上げが大きく落ち込んだ際、社内業務の効率化を徹底した。その代表的なものが、デザインから製造までの一気通貫システムの導入である。これはITを使って、企画・デザイン部門から生産部門に至る業務プロセスを円滑にする仕組みだ。システム導入によって、就業時間、企画開発時間、見積書作成時間の短縮などが実現した結果、全社員に余裕が生まれ、特にデザイナーは新たな企画に向ける時間を持てるようになったという。IT活用は、社内全体のモチベーション向上につながった。
 ちなみに、同システムはデザイナーの感性をデザイン化しているため、作業上、熟練は必須ではない。100万通りのデザインバリエーションが可能で、新人デザイナーでも35分でデザインを完成させることがきるという。




【企業紹介】
■社名:アンドール株式会社
■創業:2000年7月
■代表:代表取締役社長 岸村裕子
■従業員数:9名
■住所:兵庫県西宮市六湛寺町12-10
     サングリーンビル3F
■TEL:0798-23-6081
■URL:http://www.andor-inc.com/
■事業内容:衣料用下着その他の企画・販売
※詳しい情報は、株式会社カナリア書房の『ニッポンをリードする企業たち チャレンジングカンパニー モノづくり編』
に掲載されています。



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