日本企業(モノづくり編)紹介
石原薬品株式会社

 


創業110年の歴史と先人の意思を礎に、
開発主導の攻めの経営で新たな市場開拓に邁進する



 
 電子部品用外装めっき液の国内トップシェア企業

 明治33年(1900年)創業で、医薬品や工業薬品の卸小売業を営む「石原永壽堂」が前身。1946年に現社名の石原薬品に商号変更し、現在は「電子関連分野」「自動車用品分野」「工業薬品分野」の3分野で、「金属表面処理剤及び機器等」「電子材料」「自動車用化学製品」「工業薬品」の4つの事業をバランスよく展開している。中でも、ICチップ部品、コネクターなど電子部品用外装めっき液で国内トップシェアを誇る。
 時代のニーズを捉えた新製品開発力に定評がある同社。研究開発に社員の3分の1を投入し、毎年メーカー部門売上高の10%を研究開発費に投資する徹底した開発主導の経営方針を貫く。2006年7月には本社敷地内に新研究棟を増設。各事業分野に分散している情報や技術をすべて研究開発部門に集約することで、より自由に、柔軟に、さまざまな角度から情報を分析し、コア技術に新たな発想を加えた新製品・新技術の開発に力を注いでいる。


 「三つの開発」を経営理念に未来をみつめる

 創業110年の歴史と先人の確かな意思を礎にして、常に時代の先端を走り続けてきた石原薬品。激変する経営環境に対応するために研究開発に積極的に投資して、変化に強い筋肉質の企業体質を築き上げてきた。そんな同社の経営理念は「三つの開発」。社員ひとり一人の絶え間ない「自己開発」によって開拓者であり続け、独自の「商品開発」によって社会に貢献し、広く深い「市場開発」によって新たな可能性を追求し続ける。商品開発も市場開発もすべてはその源泉となる「人」の力があってこそ。だからこそ、社員が自己開発に励むことができる環境を徹底的に整備して、誰もがやりがいを持ち、明るく伸びやかに働くことができる風土を築いてきた。
 老舗の良さを継承しつつ、常に既成概念を打ち破るために新鮮な発想で技術革新を起こし、時代のニーズに沿った製品を開発して高い市場占有率を維持している。4つの事業を推進する中でも、とりわけ業績をけん引するのが金属表面処理剤。電子部品用の外装めっき液で国内トップシェアを誇り、中でも人体に有害な鉛を使用しない鉛フリーめっき液に対する評価は高い。


 常に先を見据えた新市場の開拓を目指す

 経済大国・日本を根底で支え続けてきたのは紛れもなく中小企業である。さらに、創業100年以上の老舗企業の約5割が製造業であるともいわれているように、ものづくり日本をけん引してきた製造業が日本の経済成長に寄与した影響は計り知れない。とりわけ、日本が世界に誇る電気・自動車分野の発展は目覚しく、同分野にて金属表面処理剤や電子材料、自動車用化学製品など時代が求める確かな高品質製品を提供し続けてきた同社の存在感は大きい。
 ここ数年で日本の製造業がアジアなど海外への進出を加速している。同社も2005年4月に上海に拠点を開設している。しかし、単に巨大な市場が広がるからという短絡的な発想ではなく、同社が日本で築き上げてきた技術を活かして市場をリードするべく、戦略的なアジア進出を視野に入れている。既存の市場は大切にしながらも、常に先を見据えた新市場の開拓を目指す—。新たな市場を創出し、マーケットリーダーになることが企業の成長のカギを握ると考え、新たなステージへと着実に駒を進めている。




【企業紹介】
■社名:石原薬品株式会社
■創業:1900年4月
■代表:代表取締役社長 竹森莞爾
■従業員数:223名(平成22年3月末)
■住所:兵庫神戸市兵庫区西柳原町5-26
■TEL:078-681-4801
■URL:http://www.unicon.co.jp/
■事業内容:金属表面処理剤及び機器等(錫及びハンダめっき液/化成処理液自動管理装置等)、
         電子材料(電子材料/セラミックス/エンジニアリングプラスチック等)、
         自動車用化学製品等(つや出し剤/塗装補修コンパウンド/洗浄剤/
         消臭・除菌剤/溶接スパッター付着防止剤等)、
         工業薬品(酸/アルカリ/触媒/無機化合物等)。
※詳しい情報は、株式会社カナリア書房の『ニッポンをリードする企業たち チャレンジングカンパニー モノづくり編』
に掲載されています。



著作権について

本サイト内の記事、コンテンツ類の無断転載、複製および転送を禁じます。このような運営の妨げになる行為に関しては、損害賠償を求めることがあります。