日本企業紹介
株式会社多加良製作所

 


幅広い分野の技術とノウハウを持つ
金型業界のリーディングカンパニー


 半導体用金型を中心に幅広い分野のノウハウを蓄積
 
株式会社多加良製作所(以下、多加良製作所)は、金型の設計・製作をメインに成形生産や各種製造用装置の販売も手掛ける企業だ。金型とは、大量の製品を短時間かつ一定精度で作ることができる、金属を使った「型」のこと。一般にはあまり馴染みがないかもしれないが、実は自動車や電化製品のパーツからペットボトルなどの容器類まで、日常生活で接する大半のものが金型によって作られている。多加良製作所の強みは、1961年の創業時から脈々と受け継がれた技術力に加えて、幅広い分野に対するノウハウと応用力を持っていること。創業当時はベルトのバックルなどを作るプレス金型の製作とプレス加工を行っていたが、1967年より半導体を樹脂成形するモールド金型の製作を開始。翌年には端子部の土台となるリードフレーム金型の製作に着手し、本格的な半導体時代の幕開けと共に急成長を遂げた。1972年からは樹脂パーツを作る射出成形用のインジェクション金型で、電子機器業界への参入も果たしている。現在、多加良製作所では岩手県北上市の岩手工場をはじめ、同じく岩手県の二戸市、大船渡市、宮古市に4つの国内工場を所有。金型の設計・製作はもちろん、自社による部品生産体制の強化が図られている。また、アジアにおける需要拡大を予測し、海外拠点として香港事務所およびベトナム工場も設立。現在は日本で培った高度な技術を活かし、金型の製作やメンテナンスなどを実施している。

 ライバル企業をリードする高度な技術力
 
多加良製作所の高度な技術力を裏付ける例としては、携帯電話の着せ替えパネルが挙げられる。従来はパネルの窓部分をプレス加工すると樹脂の断面が白化して商品価値がなくなるため、リューターによる切削に頼っていた。しかし、多加良製作所ではヒーターで金型を熱することで白化を防止、世界で初めてプレス加工による量産を可能にしたのだ。また、最近では業界初となるシリコーン樹脂用の金型や封止装置も実用段階に入っている。シリコーン樹脂は、今までLED(発光ダイオード)に使われていたエポキシ樹脂の劣化が激しいことから、代替え用に発案されたもの。しかし、シリコーン樹脂は溶けると粘度が低下して樹脂漏れが生じるため、両面金型での成型が不可能だと言われていた。この常識を覆すように、多加良製作所では独自手法を用いて金型および封止装置を実現。現在でも両面金型によるシリコーン樹脂成形が可能なのは多加良製作所だけとなっている。

 抜群の安定感を誇るリーディングカンパニー
 
日本国内には約1万社の金型企業が存在しており、その8割近くを占めるのは20名以下の小規模な企業だ。たとえ高度な技術を持つ少数精鋭集団でも、大半が設計のみ、機械加工のみなど専門分野が分かれているため、個別発注では時間やコストを大幅にロスしてしまう。その点、多加良製作所は金型の設計・製作だけでなく金型を用いた生産、さらには生産ラインの提案まで社内で一貫して行うことが可能だ。また取引先が多業界にわたるので、一部の業界不振をダイレクトに受けることなく経営の安定性を実現できるという点も、ユーザー企業にとって重要な点といえる。このように多加良製作所は卓越した技術とノウハウに加えて、常に新しいことに挑戦するチャレンジスピリットを兼ね備えた、金型業界のリーディングカンパニーなのだ。

 
 
【FOCUS】

  多加良製作所ではプラスチックや極薄のフィルムを加工する特殊金型、さらには他社に真似できないシリコーン樹脂の成形技術など、これまで数多くの先進的な取り組みを行ってきた。こうした高度な技術を生み出しているのが、金型企業として異例ともいえる専門の研究開発施設だ。

  金型製作を行う企業は、大半がメーカーからの依頼に対して案件ごとに技術対応を行う受注型、言い換えれば「受け身のビジネス」を展開している。しかし多加良製作所では、研究開発施設で常に最新の材料や設備、加工方法などを追及する「攻めのビジネス」を実践。RoHS指令をはじめ各種環境規制にも迅速に対応するなど、金型の未来を切り開く先駆者として日々邁進を続けているのである。

【企業紹介】
■社名:株式会社多加良製作所
■創業:1961年6月16日
■代表:代表取締役社長 米津征彦
■従業員数:285名
■住所:東京都葛飾区四つ木2-5-17
■TEL:03-3693-3388
■URL:http://www.takaras.co.jp/
■事業内容:半導体用トランスファーモールド金型製作
         トリム&フォーム金型製作
         精密スタンピング金型製作及びプレス加工
         インジェクション金型製作及び成形加工
         金型部品製作、オートモールド装置製作(その他装置)
※詳しい情報は、株式会社カナリア書房の『ニッポンをリードする企業たち チャレンジングカンパニー』
に掲載されています。



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