アジアブログ

 

 

2012年10月30日 【アジア全般】
地方の逸品がアジアでメジャーになる可能性


ブレインワークスグループ CEO 
近藤 昇




当社は現在、経済産業省の委託事業として、
クールジャパン物産館プロジェクトを進めている。
自社の事業として取り組んできたジャパンスタイル事業をベースに、
ベトナムのホーチミンにて日本の地域にフォーカスした物産館を常設する
プロジェクトである。



(クールジャパン事業)


(ジャパンスタイル事業)



“知られざる日本”をベトナムに紹介する。
これが基本のコンセプトだ。
日本のファンになってもらい日本への観光に繋げる。
少し詳細を説明すると、
実は日本人が思っているほど、日本はアジアの人たちからは知られていない。
この事実に焦点を当てて、日本のことを積極的にアジアに伝える活動を行なう。



それと、もうひとつの意味合いもある。
日本人も日本の地方のことをあまり知らない。
だから、宝の山があることすらわからない。
地方にある名産品、伝統工芸、踊りや祭りなどほとんど知らない。
自分の出身地のことは知っていても、
遠く離れた地域のことはわからない。
例えば、私は徳島県出身だが、東北のことはほとんど。
つまり、折角のよいものが沢山、日本の地方に埋もれているのである。



 



今、日本では地域活性化や地域経済回復のため、
日本の内外から観光客誘致に力を入れている。
にもかかわらず、自分達の魅力や価値に気づいていないことが多い。
日本人が考える日本の価値や良さと、
アジアの人たちが考える日本の価値や良さは
必ずしもすべてが一致している訳ではない。



実際、私達が運営しているジャパンスタイルショップでは不思議な体験や発見が多い。
ホーチミンの新興都市フーミーフンエリアにある新型シヨッピングモール内に開設しているが、
日本のこの種類の店はホーチミンでは初めてである。
オープンして間もない頃こんなことがあった。



売り場に姫路城のプラモデルを置いてみた。
すると陳列してすぐに男子高校生が購入したのである。
たまたま、店に居合わせた私は驚き、感動した。
彼らにしたら、決して安い買い物ではない。
まして、日本のお城のどこに魅力を感じたのか?
プラモデルはベトナムではどうなのか?
実は、後で知人に聞いたのだが、
日本のようなお城は世界に類がない。
そのような価値を、彼らは知っているが、
当の日本人である私達は気づいていない。



先日、物産館のメインの1つ、北海道館の運営の段取りのために、
根室市を訪れた。
その際に、市長にもご挨拶させて頂いた。
ベトナムですでに行なっている取り組みの具体的な内容をお聞きして、驚いた。
根室市のサンマはすでにベトナムにも輸出されていたのだ。
ハノイやホーチミンでサンマ祭りもすでに開催。
ホーチミンの有名な寿司店である「スシバー」ではメニューに組み込まれている。
今までベトナムのサンマは台湾産が主流だったそう。
しかも、日本から輸出する価格も国内市場よりも高い。
こういう商流ができると日本の漁師もやり甲斐が増すのは間違いない。
今、農水省も日本の一次産業品を海外に輸出することを促進している。
当面はベトナムでサンマといえば、根室産が定番になるだろう。


 

 



海外に出ると、面白い発見が沢山ある。
私は神戸市に住んでいるが、
アジアのパートナーに神戸に住んでいることを話すと
嬉しそうに言われることがある。



「神戸ビーフだね」
「日本のビーフは美味しいね」



色々な人に似たようなことを言われてきて、
最近は“こういうことか”とその理由を理解してからは妙に納得している。
実は、彼らは神戸のビーフを神戸ビーフと言っているのではない。
和牛といえば『神戸ビーフ』なのだ。
つまり、それしか知らないのである。
考えてみればサンマもビーフも同じパターン。
日本人が思っているほど日本は知られていない。
これをチャンスと捉えるなら、
日本の地方などに埋もれていて、
アジアでデファクトスタンダードを作ることができるものは、
山のようにあるということだ。



少なくとも、今のアジアでは日本のプレゼンスは相当低い。
まずは、この数年間はプレゼンスを高めていく時期。
だからこそ、日本の地方からアジアに積極的に展開する意義は大きいし、
大化けする可能性を秘めているのである。











近藤昇の「会社は社会の入り口だ」ブログ閲覧はこちらから:
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