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2012年7月12日 【中国】
合わせ箸!?


北京華通広運物流有限公司
柳田 洋




私がよく利用するお粥屋のチェーン店、
宏状元(ほんじゅあんゆえん)の店内にあった広告です。
両親と子供の3人家族が、たくさんの料理を前に、
仲睦まじそうに食事をしています。



しかし、よく見ると、な、な、なんと!
1つの赤ピーマンをお父さんと娘が、
箸で取り合っているではありませんか。



これは日本では合わせ箸。
お箸で食事をする場合にやってはいけない禁じ箸の一つです。
この合わせ箸、火葬後の遺骨を拾うときに、
箸から箸へ遺骨を渡して骨壷に納めることを連想させて
縁起でもないため、多くの日本人は生理的に受け付けません。



しかし、この広告の写真の家族は、
合わせ箸をしているにも関わらず、
3人ともとても楽しそうです。
中国には遺骨を箸渡しする習慣がないため、
合わせ箸は全く抵抗がないどころか、
「親子で赤ピーマンを取り合って楽しそう」
という表現になるのでしょう。
日本では絶対にあり得ない広告表現です。



この写真を見て、「中国人はデリカシーがない」
などと思ってはいけません。
習慣や常識が違えば、やってはいけないことや、
不快に思うことも当然違うのです。



合わせ箸に限らず、
日中の両国民がお互いのことをもっとよく知り、
相手の習慣や常識を尊重するようになれば、
史上最悪と言われる日中間の国民感情も、
少しはよくなるのではないか、と思います。



 


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