アジアブログ

 

 
 

2010年11月30日 【ベトナム】
星越ベトナムレポート 第3巻

村上 博治



1か月の経済の動き

 

① 世界経済


  今月は世界経済を動かす大きな2つの動きがありました。1つはアイルランド政府の支援要請です。29日にはEUとIMFは支援策について大筋で合意し、支援額は約850億ユーロ(約9兆4000億円)になるとのことです。けれども欧州不安はしばらく消えないでしょう。債務多重国のポルトガルやスペインの動向に注視が必要です。
 もう1つの動きは朝鮮半島情勢の緊迫化です。現在は大きな戦争にまで発展していませんが、決着がつく様子も見えてきていません。今後の動き次第では、日本の為替や株式に大きな影響を及ぼす可能性が高いと言えます。ただし、完全に戦争が起きた場合には、朝鮮特需が再びあるのでは…とかなり不謹慎な想像をしてしまいました。

 

 

② ベトナム経済


  10月の国内における消費は引き続き堅調で、財貨・サービスの小売販売は年初10カ月で対年同期比25.1%増の1363兆ドンとなりました。ただし、物価上昇の影響を除くと15%増となります。このような高インフレ、莫大な貿易赤字、低迷している海外直接投資(FDI)、通貨ドンの切り下げ圧力などの背景において、ベトナム国家銀行(中央銀行)は11月5日、基準金利を8%から9%まで引き上げることを決定しました。さらに政府は旧正月(2011年2月)までは通貨ドンの切り下げは行わないとコメントしています。
  これらを受けて現在ベトナムにおける銀行預金金利は12%程度まで(!)上昇しています。ベトナムにおけるリスクを許容できる場合は、現在円高であり、ドンが米ドルにペッグしていることを考えると、ベトナムで銀行預金をするのも面白い投資になるのではないかと思います。

 

 

③ 今月の話題


今月は株銘柄より書籍を取り上げさせていただきます。
水野和夫さんと萱野俊人さんの対談を新書にした“超マクロ展望世界経済の真実“です。経済学者と哲学者が500年の資本主義の歴史をもとに現在を位置づけし、今回の金融崩壊から将来を議論しています。過去500年の様々な統計をもとに分析しており、視点が大変面白いと感じました。

 

 

④ 星越ベトナムファンド


  今月も大きな動きはしておりません。ハノイ株式指数が歴史的安値圏にありますので、ハノイ上場インフラ関連を狙って買い増したいと思っております。

 




 

街角レポート

ベトナムの今をお伝えします

北朝鮮レストラン

現在のハノイの住居近くは、韓国の方が多数住んでいる韓国人街ですので、韓国料理レストランが多くあります。その中で北朝鮮料理と表示したレストランがありました。ベトナム人が変なレストランをやっているなあと思っていたのですが、どうもハノイ在住の方によりますと、北朝鮮政府直営の外貨獲得レストランではないかとのこと。 さっそく行ってみました。韓国人のふりをして入っていったのですが、入り口で待っていた女性から“こんばんは”と言われ、こちらも“こんばんわ”と返事をしてしまい、日本人とわかってしまいました。女性たちはメイクも上手で、全員ピョンヤンから来たそうで、その美ぼうから喜び組の方ではないかと思いました。料理はおいしく、石焼ビビンバが絶品でした。


 

 



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