アジアブログ

 

 
 

2011年10月31日 【ベトナム】
星越ベトナムレポート 第14巻

村上 博治



1か月の経済の動き

 

① 世界経済


  今回のギリシャ問題は債務5割カットで小康状態を保つことが決定しました。このことにより今後はEUの独仏2極体制に変化が見られるかもしれません。そう考える理由の一つに、今回のギリシャ問題については仏の提案は退けられ、ほとんど独の提案が実行されることになったことがあげられます。この案が実行された場合、ギリシャ国債を大量に保有している仏銀行はかなり経営が悪化するでしょう。救済のために仏が公的資金を自国銀行に大量投入→仏の財政悪化、国債の格下げ→そして独のみが残った・・・という状態になるかもしれません。はっきりいって、政治の力=お金の力ですから。

 

 

② ベトナム経済


  9 月の CPI 上昇率は対前月比 0.82%増となり,2 か月連続で 1.0%を下回りました。対前年同月比で 22.42%増(対前年末比で 16.63%増)となり、今年に入り初めて対前年同月比の上昇率が下落し、物価上昇はピークアウトしたという見方もあります。ただ、残念なニュースとしてIMF 及び ADB は本年のベトナムの経済成長率の予測をそれぞれ下方修正したことがあげられます(IMF:6.0%→5.8%,ADB:6.1%→5.8%)。アジア域内でもっともインフレが進んだ国としてADBにベトナムがあげられており、インフレがかなり成長の足を引っ張ったといえます。

 

 

③ 今月の話題


9月からヨーロッパ経済はどうなるのかと叫ばれ、EUの首脳陣はどうすべきかと議論を重ねてきました。世界中の金融プロが悩んでますが、話はいたって単純です。自分が金を貸した親戚から(ギリシャ)いかに金を返してもらうかです。借りた方は返す振りはしてますが、はっきり言って返す金もあてもありません。この場合親族会議が開かれますが、ほとんど結論は一つです。親族の長老(ボス)が、“しょうがないから借金を棚上げにして、これからは、真面目に働かせて少しでも返してもらおう”と言うしかありません。
しかしながらEUの会議では50%をあきらめて、残りを返してもらう結論です。バブル崩壊後10年かかって結局100%あきらめたどこかの国を思い出します。家族、親戚、会社、国、国際社会、どの集まりでも大事なことは強力なリーダーがいるかどうかです。EUにはいるでしょうか。

 

 

星越ベトナムファンド


今月ベトナムマーケットは、あまり大きな値動きはありませんでした。気になるのはベトナム中央銀行が毎日のようにVND/USD交換レート上限を変更していることです。適正レートの運用に心がけているのでしょうが、それだけUSDの欠乏が激しいと思われます。年末にかけてのインフレが心配です。マーケットへの影響も十分考えなくてはいけません。
今月ファンドは0.89USDです。

 




 

日越 街角レポート

日本に帰国していた時に、改めて違和感を感じたこと。

① マックやスタバの店員のマニュアル対応―特に中高年の方が高校生と同じ紋切り型のセリフを言うのは止めてほしいです。何故か悲しくなります。

②電車での中高年のおじさんとOLさんの無言バトルー網棚に置いてあるOLさんのバッグの横に、隙間がないのに、おじさんが自分のバッグを無理に置いてOLさんとバトルをしていました。お互いずっと無言なのが恐ろしい。

③偏ったの洪水報道-日本ではタイのみの報道しかありません。日本企業、日本人への被害を考えれば、マスコミがタイのみに報道を集中するのは理解できますが、あの報道ではカンボジアやベトナムが同じ被害状況であることは、日本人には伝わりません。チャオパラヤ川よりメコン川の方がより大きい川で、メコン川の氾濫もすごいです。私は改めてマスコミ報道で事実をフラットにつかむ事の難しさを痛感しました。しかしタイ人のたくましさは見ることができました。日本で同じ状況であればすべての地区に避難命令が出ているでしょうが、タイ人は普通に暮らし、子どたちはうれしそうに洪水の中で、泳いで浮遊物と遊んでいます。

 

 



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