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2012年2月9日 【中国】
VPNサービス

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋






北京で発行されている日本語フリーペーパーに載っていた広告です。
「ユーチューブ、ツイッター、フェイスブックできます!」と書いてあります。


この広告コピーからもわかる通り、中国では中国政府の情報統制により、
ユーチューブ、ツイッター、フェイスブックなど
外国資本のコミュニケーションサービスが利用できません。


中国政府はそれらの代わりに「いざというときには
中国政府の情報統制に協力する」という条件で
中国資本の優酷(よーくー)、新浪微博(しんらんうぇいぼー)、
人人網(れんれんわん)などのサービスを認可し、国民に提供させていますが、
コミュニケーションの相手が海外にいる外国人や、
世界の本当の情報を知りたい中国人にとっては、
外国資本のコミュニケーションサービスが利用できないのは非常に不便です。


そこで、中国国内にいてもユーチューブ、ツイッター、フェイスブックなどを
利用できるようにする、というサービスがこのVPNサービスです。


VPNとはVirtual Private Networkの略で、
公衆回線をあたかも専用回線であるかのように利用できるサービスです。
データを暗号化して送るため、中国政府のインターネット検閲のための巨大な壁、
グレートファイヤーウォールもすり抜けることができるのだそうです。


まさに「上に政策あれば、下に対策あり」。


中国政府は「インターネット時代においては、
情報統制は不可能である」という事実をはっきりと認識した上で、
インターネットを敵に回すのではなく味方につけるような情報戦略を
考えていく必要があるのではないかと思います。





 


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