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2012年1月12日 【中国】
愛国、創新、包容、厚徳

北京華通広運物流有限公司
柳田 洋






最近、北京の街で
「愛国(あいぐぉ)、創新(ちゅぁんしん)、包容(ばおろん)、厚徳(ほうどぅぁー)」
という4つの単語を見かけることが多くなってきました。
写真は横断幕ですが、看板や工事の目隠し板など、市内の至るところで見られます。


これらは「北京精神(べいじんじんしぇん)」を表す、4つの単語なのだそうです。
昨年9月、293万人の北京市民の投票により、これらの単語が選ばれました。


「国を愛し、イノベーションを起こし、大きな心を持ち、徳が厚い」。
これが北京市民が考える、人としての理想的な姿なのでしょう。


私が注目したのは後ろの2つ、「包容」と「厚徳」です。
最近、中国では行き過ぎた資本主義化の影響で、
拝金主義が蔓延、経済的には豊かになりましたが、
倒れている子供を見殺しにするなど、
精神的な荒廃が社会問題となっていました。
「包容」と「厚徳」が選ばれた背景には経済的にだけではなく、
精神的にも豊かな社会を目指すべきだ、という市民の願いがあるのでしょう。


また、293万人の市民の投票で、4つの単語を選んだ、ということも注目に値します。
以前は中国共産党が勝手にスローガンを決めて、
それを国民に押し付けてきましたが、今や、そんなやり方では、
国民の心をつなぎ止めることはできないのでしょう。


国民が自らの意思で心豊かな社会を目指そうとしている中国。

「北京精神」を表す4つの単語やその選び方からは、
中国がゆっくりとですが、着実に変わってきていることを感じ取ることができます。





 


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