アジアブログ

 

 
 

2011年7月31日 【ベトナム】
星越ベトナムレポート 第11巻

村上 博治



1か月の経済の動き

 

① 世界経済


 今月はアメリカの財政問題で持ちきりでした。二大政党制の弊害を見た気がします。今現在も決着はついていません。
  アメリカ国債はデフォルトしない・格付けも下がらないだろうというのが大筋の見方なのか、日本のニュースではあまり大きく取り上げられていない印象を受けます。デフォルトするか、もしくは格付けが下がると大きく影響を受けるのは為替の円とユーロです。特に日本国債は8割以上国内保有ですので、相対的に円の価値が上がります。そうすると1ドル=60円台も現実として大いにあり得ます。当然日本の基幹である輸出産業は大打撃を受け、景気はまた後退してしまうでしょう。
  大雨情報も重要ですが、アメリカ議会の動きも速報で流してほしいと思ってしまいます。

 

 

② ベトナム経済


 2011 年第 2 四半期の経済成長率は 5.67%と第 1 四半期の 5.43%から上昇したものの、前年同期の 6.44%を下回りました。上半期では、経済成長率は 5.57%となり、前年同期の 6.16%を下回っています。高いインフレが消費不振を招き、海外からの投資も減少し・・・と悪循環に陥っています。政府も2月に発表した政府決議第 11 号(当紙でも4月にお伝えしたものです。)に沿った経済運営を行ってはいますが、中々思い通りにいかないようです。5月の月例閣議では、当初7-7.5%だった経済成長率目標を6%へ下方修正を行っています。

 

 

③ 今月の話題


今月の金融関係の話題はアメリカの財政問題に尽きると思います。先月まではギリシャ債務の話題でしたが、(すでにCCまで格下げされ事実上デフォルトしています) 債務上限問題が火を噴き、議会決議が遅れるとデフォルトの危険があるとのことで、ドルが全面安になっています。海外で仕事をしている日本人にとってみれば、こんなドル安(円高)は耐えられないことでしょう。ただ私はアメリカよりも、ヨーロッパ・日本を心配しています。長期的にはアメリカは立ち直ると思いますが、未来が見えにくい日本は心配です。いつか爆発する感じがあります。ヨーロッパもはやく抜本的施術が必要です。

 

 

④ 星越ベトナムファンド


今月のベトナムマーケットは、動きが鈍く低位でボラティリティが低いマーケットでした。出来高も少なく、投資家もほとんど様子見といった感じです。その中でみづほ銀行が、ベトコンバンク(VCB)の株を15%取得すニュースがあり、これは良い投資と思いました。現在のベトナム株はかなりバリュー株が多く、長期投資には良いと思います。当ファンドもバリュー株の長期投資で行きたいと思います。現在0.91です。

 




 

日越 街角レポー

アポあり、アポなし

縁ありまして、知り合いの日本人の方が始めたフリーペーパービジネスの経営アドバイスを行う中、久しぶりに営業同伴の機会がありました。

長かった金融関係の仕事の営業経験から、日本人はアポを取っていかないとゆっくり話が出来ないことが多かったので今回も出来るだけアポをとるようにしましたが、ベトナム人は逆でした。

アポが取れにくいなと感じましたので、アポなしでどんどん行ったのですが、本人が在社している限りは、すべて会ってくれてゆっくり話ができました。これはベトナム人の気質か?それとも基本的に仕事をしていないのか? おそらく両方でしょう。日本人は一日のスケジュールを意識して仕事をしていますが、ベトナム人はそんな意識は薄いのかもしれません。

それと今回特に驚いたのは、ベトナム人の英語力でした。すべて日本人だけで営業に行ったのですが、きれいな英語を話すベトナム人が多く、会話に不自由しませんでした。10年前と大きく変化しています。恐るべし、ベトナム人です。


 

 



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